2024/05/12 男子の悩みに「ペニスの大きさ」を投稿いたしました

うつと男性ホルモン低下の関係

昔懐かしいドリンク剤のCM「うれしいとねぇ、眼鏡が落ちるんですよ!」。大村崑さんのとぼけた演技が好評でしたが、眼鏡が落ちるのはテレビの中の崑さんだけ。実は、ほとんどの男性は「うれしいとねぇ、テストステロンが増えるんですよ!」。

男性ホルモンと呼ばれるテストステロンは、男性では主に精巣(睾丸)で作られています。そして、その量は脳からの指令によって調整されています。

例えば、「よくやったぞ」とほめられたり、ひいきのチームが勝って「よっしゃあ」となったりすれば、うれしい気分。すると脳からの「もっと働け」という指令が一時的に増え、精巣でテストステロンが多く作られます。

テストステロンが増えると、脳は「幸せだ」と感じやすくなります。しばらくすれば通常レベルに落ち着きますが、一度味わった幸福感が恋しくなります。やる気がアップし「さらに頑張ろう」という気になるのはこのためです。

逆に、「まだできないのか」としかられたり、頑張ったのに期待した結果が出ず「駄目だ」と感じたりすると、気分が沈みます。これが繰り返されると脳も疲れ、指令が出にくくなります。十分なテストステロンが作られません。

テストステロンが低下すると幸福感を得にくくなり、「何をしても楽しくない」「おっくうだ」となります。不安ややる気の喪失など、男性の更年期にうつ症状が起こりやすいのはこのためです。

「うつ病で治療中ですが、男性更年期障害ではないでしょうか」。先日精神科からの紹介で40代の男性が来られました。早速遊離テストステロン値を検査すると、血液1ミリリットル当たり5.8ピコグラムに低下していました。このままでは精神面の回復も遅れかねません。精神科の治療と並行して、テストステロンを定期的に注射して増やす治療を行ったところ、うつ症状も改善してきました。

このように、テストステロン値が低い人はうつ症状が起こりやすく、また一方で、うつ病の男性患者のテストステロン値は低い場合が多いことが分かっています。

「元気ハツラツ!」な生活を送れるよう、泌尿器科医もお手伝いできることがあります。うつ症状でお困りの人は、一度テストステロン値をチェックしてみるといいでしょう。

(寄稿:2023/06/26付 西日本新聞朝刊)

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