今年は花粉が大量に飛散したので、体調管理に苦労した人がいつも以上に多かったのではないでしょうか。花粉症の私は目薬、点鼻薬、飲み薬の3点セットに、相変わらずのマスクとだてメガネの重装備で、何とかやり過ごすことができました。風薫る5月になって飛散量も落ち着き、正月に続き2度目ですが「さあ、今年も頑張るぞ!」と張り切っている今日この頃です。
先日、人に勧めてばかりの遊離テストステロン(男性ホルモン)値を測る血液検査を、私も行ってみました。結果は1ミリリットル当たり11.5ピコグラム。なんとテストステロンが「低下傾向」と出ました。
そういえば、昨年ごろから仕事を先送りしたり、笑うことが少なくなって出かけることもおっくうになったり。頑張ろうと思ったはずなのに、すぐにやる気がなくなるなど、男性更年期を思わせる症状がありました。心身の変化は季節の変わり目や花粉のせいだけではなかったようです。
男性更年期障害は、テストステロンの一部である遊離テストステロンが、1ミリリットル当たり8.5ピコグラム未満を「低下」、8.5ピコグラム以上11.8ピコグラム未満を「低下傾向」と判断し、症状の軽重と合わせて総合的に診断します。
治療は、テストステロンの低下度合いや症状が軽い場合は、生活習慣の改善ですみます。例えば、睡眠不足、肥満、運動不足、偏った食事、喫煙、過度の飲酒、精神的ストレスがあれば、これらを改善することでテストステロンが増加し、症状軽減につながります。
ただ、そうであっても、「はい、やってみます」で全てを改善するのは簡単ではありません。すぐに取り組めそうなものから始めてみることが大切です。
そこで私は、朝起きたらまず背伸びをするようにしました。背筋を伸ばし胸を張るだけでもテストステロンが増加します。そして、身なりに気を付けるべく少ない髪にくしを入れ、赤色の物を一つ身に着け、さらに肉やタマネギ、ニンニクを多めに食べるようにして、早寝を継続中です。
そうこうするうちに最近では運動する意欲が出てきました。運動で汗をかけばストレスを発散でき、適度な疲労が良い睡眠につながります。ここまで来ればしめたもの。テストステロンが増えてきているはず。次の回ではきっと良いお知らせができると思っています。
(寄稿:2023/05/08付 西日本新聞朝刊)
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