排尿後、チャック(ファスナー)を上げたときに「痛っ!」と、ペニスの皮膚を挟むことがあります。実は私も小学生の頃に何回か経験済みです。
思春期前はペニスの先端まで包皮がかぶっています。トイレから急いで出ようとして慌てているときなどに、先の部分を挟んでしまうのです。私の場合は、そのたびにぐっと痛みを我慢しながらゆっくりとチャックを下ろして外すことができ、事なきを得たのですが、痛みや恐怖のため自分だけでは対処できないことも。
そんなところを見掛けたら、潤滑剤として手近にあるボディーオイルや植物油をかけ、しばらくしてからチャックをゆっくり下げてみてください。保冷剤などで冷やしてあげると痛みも和らぎます。うまくいけば「良かったね。今度からはおちんちんをパンツにしまって、それからゆっくりチャックを上げようね」で解決です。
少し血がにじんでも、表面的な切り傷で済むことが多く、すぐに止まります。もし外せないときは、医療機関を受診してください。
このようなチャックによるペニスの損傷は学童期に多いと思われがちですが、成人男性も痛い経験をしている人がいるようです。チャックにかまれるようなもので、医療漫談のケーシー高峰さんは「カムチャツカ半島」とネタにしていました。医学誌によると、英国では1年間で2千人以上がチャックでペニスにけがを負い、病院に運ばれているそうです。
特に股上の浅いズボンは要注意。チャックが短く、挟みやすいデザインです。もし外出先で挟んでしまったら「オイルを持ってきて」と言うわけにもいきません。成人男性も挟まないように、普段から慎重な出し入れが必要です。
最近は、男児用水着の裏地に使われているメッシュ生地の編み目(2・5×1・8ミリほど)に包皮が挟まって、取れなくなったという例が報告されています。蒸れ防止のためにメッシュ生地の下着などを選びたくなりますが、編み目の大きさにもご注意ください。
(寄稿:2019/02/25付 西日本新聞朝刊)
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