2024/05/20 思春期に「思春期までに・・・」を投稿いたしました

トイレ流す前に ちょっと観察

 ビールのおいしい季節になってきました。グラスを傾け、上唇で泡を押さえながらビールを喉に流し込んでクゥー、上唇に付いた泡をパフッ。そんな大人の飲み方に憧れて、子どものころにはコーラを勢いよくコップに注いでいたものです。けれども、コーラの泡はすぐに消えてしまうので、なかなか大人のまねができませんでした。ビールは、ホップの苦味成分と麦芽由来のタンパク質が混じって泡の強度が増すことから、コーラと違って消えにくい泡になるのだそうです。

 飲み物の話の後で恐縮ですが、尿にはウロビリノーゲンというせっけんのような成分が含まれています。だから、勢いよく排尿すれば便器の水たまりが泡立ちます。特に運動で汗をかいた後など、体の水分が不足している時の濃い尿はより泡が立ちやすくなります。

 尿の泡立ちを目にすると「病気の兆候では?」と心配する人もいますが、そんなときはしばらく様子を見てください。プチプチプチッと消えていくようなコーラタイプの泡ならば心配ご無用。正常な尿の成分によるものです。ただ、ビールのように消えにくい場合は、ちょっとご用心。例えば腎臓の病気のサインであるタンパク質が混じっていて、消えにくい泡になっているのかもしれません。

 尿は、適度に水分を飲んでいるときは淡い黄色、水分不足の時は濃い黄色と色が変化しますが、いつもきれいに澄んでいます。濃いときは普段より多めに水分補給をしましょう。濁っている、茶褐色や赤い色をしている、水道水みたいな尿ばっかりが出る、泡がなかなか消えない…などなど、いつもと違う様子なら、それらは体の異常の知らせです。

 排尿する音を隠すために水を流しながら用を足す女性もいるそうです。それでは便器に尿がたまらないので、異常があっても気づくことができません。最近では流水音が流れる擬音装置や、スマホの擬音アプリがあります。それらを利用しながら気兼ねなく排尿してください。「尿は体からの便り」。スッキリした後には、尿を観察するようにしましょう。

(寄稿:2018/07/02付 西日本新聞朝刊)

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