2024/05/20 思春期に「思春期までに・・・」を投稿いたしました

精液についてのエトセトラ

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栗の花

精液イコール精子ではありません。精子は精液全容量の1%程度に過ぎず,ほとんどは,精巣上体・精嚢・前立腺などからの分泌液の集まりです。

この精液は,0.8秒間隔で起こる筋肉の律動的収縮によって,ピュ,ピュ,ピュと3〜6回に分けて射出されます。このとき一様な液が数回に分けて射出されるのではなく,まず尿道腺液(0.1〜0.2ml),続いて前立腺液(0.5ml)と精子,最後に精嚢液(2.5〜3ml)と精子というように,各分画毎に異なる内容で射出されます。精液はそれらの混合液です。

見かけはゼリー状のものを含んだ不均一な乳白色をしており,その独特のにおいが栗の花に似ていることから,ドイツでは精液のことを「栗の花」と呼んでいるそうです。塩素系漂白剤のにおいや新緑の季節の香りにも似ています。

1回の射精量はおよそ1.5〜6ml(平均3ml)で,射精回数などにより変化し,当然連続射精を行うと精液量や含まれる精子数は減少します。コンドーム内の精液量を見て,「少ないけど,浮気したんじゃないの」と心配になる女性もいるそうですが,射出量は体調によっても変わってきますし,あなたのことを思って直前にマスターベーションしたのかもしれません。もしそのようなときには,浮気の疑いよりも体調の気遣いをしてあげてください。

ところで,思春期の悩みに精液の性状に関するものがあります。色であったり,においであったり,ゼリー状のものが混じっているなど,もちろん,精液を他人のものと比べる機会は稀なので,不安に思うことも当然です。精液は,前述したような混合液です。それぞれの成分の多い少ないで色やにおいやゼリー状の部分の量が変わってきます。もし,緑黄色や赤,茶色のものが混じっている場合は,泌尿器科でご相談ください

それから,精液は射精しなければどうなるのでしょうか。例えば精巣で造られた精子は精巣上体尾部に蓄えられていますが,射精されなければここで分解吸収され,その分精巣から新しい精子が運ばれてきます。精嚢や前立腺の液は吸収されたり,尿と一緒に排出されます。だから,射精をしなければ精子や精嚢液が溜まりすぎてどうにかなってしまうことなどないのです。ただ,二次性徴が始まってからの一時期は,精巣や精嚢などの働きが非常に活発になるので,マスターベーションなどで射精をしなければ,過剰な精液を夢精として射出し,バランスをとることがあります。

「男は溜まるから出さずにはおられない」ことはないのです。

がまん汁

性的に興奮したとき,尿道の出口から透明な液がにじみ出ることをほとんどの男性は経験していると思います。前液,がまん汁,先走り汁,第一チン◯汁などと呼ばれている,あの液です。指につけて,指の間でこすってみるとつるつる,さらさらとしています。

これは,Cowper氏腺(尿道球腺)から分泌される液で,カウパー氏液と呼ばれています。弱アルカリ性,無色透明で,酸性である尿道をアルカリ化し射精時に精子を保護する役目と,尿道内の潤滑やペニスを膣へ挿入する際の潤滑の役目を持っています。

精液ではないので,通常精子を含みませんただし,直前に射精があり,尿道内に精子が残っていると,がまん汁にも精子が含まれている場合があります。避妊が必要なときには,がまん汁といえども侮ってはいけません。

思春期になると,カウパー氏液の分泌も盛んになります。映画やテレビなどで性的な場面を見て興奮したとき,尿道口からカウパー氏液がにじみ出て,ズボンに予期せぬシミを作っているかもしれません。そんなエッチな場面を見たときは,こちらのシミにもご注意を。

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