2024/05/20 思春期に「思春期までに・・・」を投稿いたしました

泌尿器科は、「男の一生」面倒みます

タップできる目次

泌尿器科

医療機関の診療科名で,内科や外科,小児科,産婦人科はみなさんご存じだと思います。皮膚科や耳鼻科,眼科や整形外科,精神科なども分かりやすいです。それでは,私の専門の泌尿器科はどのような診療科なのでしょうか?

泌尿器科って,昔は皮膚科といっしょだったよな

みのDr

今でも,皮膚泌尿器科と標榜している診療所がありますよ

泌尿器科って性病科のこと?

みのDr

いいえ,それは泌尿器科のほんの一部です

(平成20年4月に医療機関の標榜診療科名の見直しが行われ,それ以降は新たに「皮膚泌尿器科」や「性病科」と標榜することはできなくなりました)。

みのDr

泌尿器科は,血液から尿をつくり出す“腎臓”,腎臓から膀胱へ尿を運ぶ“尿管”,尿を溜める“膀胱”,尿を体外へ排出する“尿道”などの尿路と呼ばれる臓器の疾患を担当する診療科です。
それから,尿路だけではなく,男性性器の疾患も泌尿器科の担当です。

男性の性器は,テストステロン(男性ホルモン)と精子をつくる“精巣(睾丸)”,精子が待機・成長する“精巣上体(副睾丸)”,精子を運ぶ“精管”,精液をつくる“精のう”や“前立腺”,精液を排出する“尿道”,精巣を納めている陰嚢(袋),交接器である陰茎(ペニス)です。

女性との大きな違いは,女性では膣や子宮,卵巣などの性器と尿路は隣り合わせになっているだけで別々に存在しています。一方,男性では精子の通り道(精路)が前立腺部以降,尿路と共通になっています。だから,女性の場合,性器の疾患は産婦人科が,尿路の疾患は泌尿器科がそれぞれ担当し,男性の場合は,性器の疾患と尿路の疾患どちらも泌尿器科が担当なのです。

婦人科はあるけど,男性科はないの?

泌尿器科は,尿路と男性性器を担当する外科系診療科なので手術もします。けれども,それだけではありません。

ヒトの基本型は女性です。テストステロン(男性ホルモン)が作用しなければ,受精卵はお母さんの子宮のなかで女性に成長し,女の子として生まれます。この過程に女性ホルモンは関与していません。女性ホルモンがなくても女性になります。一方,胎児(おなかの中の赤ちゃん)に精巣(睾丸)がつくられると,そこからテストステロンが分泌され,その作用で胎児に男性化が起こります。そして,生まれたときに「オチンチンがあるから男の子ですよ」と言われます。男性は女性の変化型なのです。

出生時,このような男性化に関して,何か問題があれば,それに対応するのは泌尿器科です。泌尿器科は,何がどう変化すれば男性なのかといった,男女の違いを一番理解しています。

また,男性として生まれても,男性性に問題があれば,それに対応するのも泌尿器科です。例えば,思春期の二次性徴の発育の問題(大人の男性になっているかどうか),青壮年期の性機能の問題(性欲がない,勃起が不十分である,射精ができない,精子の数が少ない,など完成した性機能が維持されているかどうか),壮老年期になり男性性機能の低下と男性更年期障害の問題など,男性の一生におつきあいしています。

みのDr

泌尿器科は婦人科に対する男性科としての役目をもっています(ただ,日本では「男性科」という標榜は認められていません)。
泌尿器科は男の一生面倒見ます」です。

実は泌尿器科は人気があります

いろいろな機会に「何科ですか」と尋ねられることがあります。たまたま一緒にいた同僚や同級生が,コードブルーの「救命救急部です」,コウノドリの「産婦人科です」,チームバチスタの「心臓外科です」などと答えると,瞳がキラキラッとして「へぇーそうなんですね」と語尾が上がり調子。まだ主役が回ってこない「泌尿器科です」と答えると「へぇーそうなんですか」と下がり調子の反応です。一般的には「恥ずかしいし,できればかかりたくない科」と思われています。最近も近所の整形外科の男性医師から「秘尿器科○○先生」という宛名で紹介状が来るぐらいですから,受診したことを秘密にしたいくらいなのかもしれません。

ところが,女性医師を対象に行われた診療科のアンケート調査では,外科は体育会系,整形外科はお祭り野郎が多い,神経内科は理屈っぽくて細かい,循環器内科は自信過剰で俺様系,小児科や産婦人科は優しい,精神科は変わり者,麻酔科は集団行動ができない,などなど。あくまで女性医師のイメージです。

そんななかで,「泌尿器科は微妙なところをサラッと診察してくれる。ノリが良くて,下ネタが好きで,でも憎めなくて友達になりたい」と女性医師から熱烈コールが寄せられています。

みのDr

そうです。泌尿器科医は怖くはありません。排尿のこと、男の性のことで困ったときには,どうぞ,みなさんのご近所の泌尿器科医へご相談ください。

スポンサーリンク

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

タップできる目次