2024/05/20 思春期に「思春期までに・・・」を投稿いたしました

テストステロン注射は要相談

まわりの忠告に耳を貸す冷静さも欠いてしまう恋煩い。

♫お医者様でも草津の湯でも 惚れた病は治りゃせぬヨ♫

こう民謡にうたわれるほど、恋の熱に浮かされると良い対処法は見つからないことがほとんどです。皆さんもほろ苦い恋の季節の一こまを思い出される人が多いでしょう。きっと時間だけが薬だったのではないでしょうか。

 ♪秋に枯れ葉が散るように それは誰にもあるような ただの季節のかわりめの頃♪

人生半ばの変わり目、更年期。男性の場合、血液中のテストステロン(男性ホルモン)は中年以降穏やかに減少するので、この時期に症状を全く感じない人、軽い人は「ただの季節の変わり目」とやり過ごすことができます。

ただ、睡眠不足、肥満、運動不足、偏った食事、喫煙、過度の飲酒、精神的ストレスなどの生活習慣が原因となってテストステロンがより減少すれば、男性更年期障害と呼ばれる心身の不調が起こることがあります。例えば発汗や疲労、不安や気力低下、勃起不全(ED)や性欲低下などの症状は、時がたてば良くなるとは限りません。

症状がつらいときに我慢は禁物。泌尿器科医は恋の季節に気の利いた忠告はできませんが、男性更年期のご相談には乗らせていただきます。

治療は、検査でテストステロンがそれほど低下していない場合、または低下していても症状が軽い場合は、生活習慣の改善と合わせて内服治療を行います。元気を補う「補中益気湯」など症状に合った様々な漢方薬でテストステロンを作る能力を高めると、通常、数か月で症状改善が見られます。EDがあればED治療薬も併用します。

テストステロンが低下し、症状が強い場合は、2〜4週間ごとにテストステロンの筋肉注射を行います。効果は個人差がありますが、1回目の注射後から症状の改善を自覚される人も多くいます。

なお、注射を続けるとニキビができたり、顔が脂ぎったり、男性型脱毛症が進行したり。さらに血液が濃くなり過ぎる多血症や肝障害が起こることもあり、治療中は定期的な血液検査が必要です。また、前立腺がんの疑いがある人や睡眠時無呼吸症候群の人には注射できない場合があるので、効果や副作用を含めて医師に十分ご相談下さい。

(寄稿:2023/07/24付 西日本新聞朝刊)

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