2024/05/20 思春期に「思春期までに・・・」を投稿いたしました

「好き好き爺」でいつまでも

 「若い時はとても厳しい人だったのに、今では好好爺になられたね」。好好爺は、人の良い、にこにこして優しそうな高齢者のこと。皆さんの周りにもそんな先輩がいらっしゃるのではないでしょうか。

 男性ホルモンの一つ、テストステロン。男性ではほとんどが精巣(睾丸)で作られています。勃起や性欲、筋肉に関係するだけではなく、チャレンジ精神や競争心を育みます。公共性を重視する気持ち、仲間を大切にする心を育てる働きもあり、社会の中で頑張る力を生み出します。

 だから、テストステロンがそれなりに分泌されているときは、仕事で妥協したり諦めたりすることなく、目標達成に向かって自分を厳しく律しながら頑張ることができます。

 ただ、テストステロンは男性では20代をピークに年齢とともに緩やかに減少していきます。定年を迎える頃には、多くの人はその厳しさも和らいでいきます。

 さらに高齢になればテストステロンが低下するのは当たり前。以前と比べ、大ざっぱになったり、根気が続かなくなったりしても、本人や家族がにこにこご機嫌で穏やかに過ごせていれば、テストステロンの低下に身体がうまく対応できている証拠。男性更年期障害の心配はご無用です。

 一方、ご本人が気付かずとも以下のようなときは要注意。①ちょっとしたことでイライラするようになった②理由もないのに気持ちが落ち込んでいる③表情が乏しく笑わなくなった④忘れ物やミスが多くなっている⑤仕事に集中できていない⑥新しいことに興味を持たない⑦好きだった趣味やスポーツもやりたがらない⑧新聞や週刊誌は読めるが、厚い本を読まなくなった⑨急に付き合いが悪くなった。

こんなご機嫌斜めな変化に周りの人が気付いたら、年齢が幾つであっても、テストステロン低下による男性更年期障害の症状かもしれません。どうぞ泌尿器科での検査をお勧めください。

 一時期、テストステロンが低下傾向だった前期高齢者の私。戻った体調を維持するために今後も生活改善を続けていくつもりです。

何かに興味を持つことはテストステロンを保つ方法。「好々爺」と呼んでもらえるかどうか怪しいので、しばらくはあれやこれやに興味を持つ「好き好き爺」でいきたいと思っています。

(寄稿:2023/09/18付 西日本新聞朝刊)

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