2024/05/20 思春期に「思春期までに・・・」を投稿いたしました

男女で違う おしっこの飛び方

 男性が排尿するとき、尿線は出口から1~2センチのところでよじれます。そのため、おしっこが180度回転しているように見えます。既に気付いている男性は多いでしょう。このトリビア(豆知識)は10年ほど前、東京の民放の人気バラエティー番組で取り上げられ、出演者が驚いて100のうち65の「ヘぇ」を獲得したのを覚えています。

 男性の尿道口(尿の出口)は縦長で、緩く閉じています。ここから放出された尿線は、空中に出た瞬間から表面張力が働き、断面は円形になろうとします。その結果、縦長と横長の断面を繰り返す波が生まれ、おしっこが回転しながら飛び出しているように見えるのです。ホースを水道につないで水を出し、出口を左右から押さえて縦長の状態にしてみてください。回転する様子が観察できますよ。

 また尿道から放出される尿は、管の壁面の抵抗を受けて外側の流れはスピードが落ち、中心部の流れは相対的に速くなります。男性の場合、尿道は16~20センチと長いため、外側と中心部の速度差が緩やかで、1本の線として放出されます。女性の場合、尿道が4~5センチと短いため、速度差が大きいまま放出されます。すると空気を巻き込んで乱れ、飛び散りやすくなります。こうして尿の飛び方にも男女の違いが出てきます。

 従って排尿時の注意点も違ってきます。男性は尿線の様子を観察して、もし尿線が散らばったり、二股に分かれたりすることが続いたら、尿道に異常があるかもしれません。女性は排尿時にひと工夫。洋式便座に腰掛けて足を閉じたまま排尿すると、尿が真っすぐに飛びません。尿が膣(ちつ)内へ入り込んで炎症を引き起こしたり、臭いの原因になったりすることも。誰も見ていないので、足を大きく開いて前傾姿勢で排尿しましょう。それでも変な方向に飛ぶときは、泌尿器科にご相談ください。

 実は、冒頭の番組の放送前、放送局から取材依頼があり、散髪して待っていたのですが、連絡は一向になし。番組を見ると、東京の泌尿器科医が解説をされていました。残念。全国デビューならず。

(寄稿:2019/03/18付 西日本新聞朝刊)

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