泌尿器科医なのに、結石ができるなんて。それも4回も。シンジラレナ~イ。
尿路結石は、尿中の成分が結晶を作り、それが固まったもの。腎臓から尿道までの尿路(尿の通り道)にでき、診断時の位置で、腎結石や尿管結石などと呼ばれます。背中から脇腹にかけて、のたうち回るほどの激しい痛みを突然起こします。小さな結石なら薬を飲み、尿と一緒に流れ出るのを待ちますが、おおよそ10ミリ以上になると、体の外から衝撃波を当てて結石を砕く治療を行います。
日本人の7人に1人は、一生に1度は尿路結石ができるといわれており、食事やストレス、尿量などいろいろな要因が重なり合って起こります。そのため、検査をあれこれ受けても、これが原因ですとはっきり分かる場合は少ないです。だから生活習慣によって泌尿器科医にも結石ができるのです。
ただ、4回も?
実は私、昔から健康オタクで、当時はやっていた「ビタミンC1日10グラム大量療法」を時々試していたのです。がんにならないとか、いろいろな効果が言われていましたから。ビタミンCを取り過ぎても、不必要な分は尿中から体外へ排出されるので、体に悪いことはない、とも言われていました。
確かにそうですが、ビタミンCの一部は体内でシュウ酸に変化します。シュウ酸が尿中に増えることは、尿路結石ができる最も危険な要因です。私は1回目は20歳で、2回目は25歳で、3回目は38歳でできました。いずれもビタミンC大量療法中です。4回目の結石は43歳。おそらくストレスかなぁ。
さすが泌尿器科医。4回とも原因を把握しています。「だったらしっかり予防しろ!」。そんな声も聞こえてきそうですが…。
再発がとても多い病気です。動物性タンパク質、塩分、シュウ酸(ほうれん草、コーヒー、紅茶、チョコなどに多い)の取り過ぎは禁物。高尿酸血症の人も要注意。カルシウムを取り、水をたくさん飲んで尿量を増やしましょう。夕食から就寝までの間隔を4時間ほど空けることも有効です。
ちなみに、私にその後、結石はできていません。
(寄稿:2018/10/15付 西日本新聞朝刊)
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