男性の皆さん、排尿後、ズボンのあそこに染みを付けてばつが悪い思いをしたことはありませんか。特に今からの季節、生地が薄くなるので余計に心配になります。
男性は排尿後に下半身に微妙に力を入れて尿を押し出し、ペニスを振ってパンツに収めます。十分尿を切ったつもりが、2、3歩歩いた途端に尿がポタポタッと漏れてしまうことがあります。ただ、一度漏れると次の排尿まで漏れることがないのが特徴です。これは、男の「チョイ漏れ」「ちび漏れ」「おっかけ漏れ」などと呼ばれています。ある調査によると、どの年代も80%以上の男性が経験しているそうです。
尿道には尿道括約筋(にょうどうかつやくきん)があり、この筋肉が締まることで尿が漏れないようになっています。この括約筋から出口までの尿道内に尿をためることはできません。尿道が長くてカーブしている男性は、尿道周囲の筋肉を収縮させて中の尿を押し出します。ただこの押し出しが不十分だと、尿道の奥に尿が残ります。そうなると、いくらペニスを振ったところで出すことができず、後で漏れてしまいます。毎回漏れることもあれば、時々のこともあり、これは薬ではなかなか良くなりません。
男のチョイ漏れに、最近「おしゃれモレ」が加わりました。股上の浅いズボンや前閉じのボクサーパンツをはいているおしゃれ男子が排尿するとき、短いファスナー部分や、下げたパンツのゴムが尿道を持ち上げるため、尿道内の尿を出し切れなくなってしまい、チョイ漏れの原因になります。
かく言う私も、おしゃれおじさんになりたくて、こっそりボクサーパンツをはいていますが、やっぱり排尿しにくくてチョイ漏れ経験済みです。そこで、トイレではベルトを緩めてズボンをやや下げ、尿道の邪魔をしないようにパンツのゴムを十分押し下げて排尿しています。そして、排尿後には陰嚢(いんのう)と肛門の間に指を当て、前方に向かって尿道をしごくようにして残った尿を押し出しています=図。これで安心です。
チョイ漏れでお困りの人は、どうぞ試してみてください。
(寄稿:2018/05/28付 西日本新聞朝刊)
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